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よる記。

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仰げば尊し。

どうも更新にムラがあり、いけません
無理して更新しない分、ひどい時は2、3週間平気でほったらかしです
パソコンの前に座った時、すらすらと文章が打ち込める時はそのまま更新しますが、「‥さて、なに書こう。」と1分以上考えた込んだ時は、なにも打ち込まずその日はそれで終わり
日記と同じような感覚で書いていたつもりですが、そう考えると少しこれは違うようです



仰げば尊し。_c0071040_1857938.jpg

さてさて、話は変わり、三月のこの時期は卒業式シーズンですね
みなさんは、卒業式にまつわるエピソードなどお持ちでしょうか

私が覚えているのは、中学の卒業式
こんな私でも、恥ずかしながら人生において「モテ期」たるものがございました
といっても、人に羨ましがられるほどではなく、まぁほどほどに。

中学の卒業式は、まず寝坊したのを覚えております
おかんも私がすでに登校しているものと思い、爆睡している私を放置したまま学校へいったところ、担任の教師から息子がまだ学校へ来ていない事を告げられ、大慌てで私を叩き起こしにタクシーで家に戻って来てくれました
激怒しているおかんにタクシーにほりこまれ、車内で眠気覚ましを兼ねた猛説教
「あんたは卒業式やっちゅうのに、ナンチャラカンチャラネチネチネチネチ‥」
学校に到着したにも関わらず、まだしばらく車内で説教をされました

「んあぁぁぁ!そんなんえーからおっちゃんにはよ金払ろたれやっ!」
あまりにも長い説教にたまりかね、私がおかんにそう言ったところ、
「そんなんどーでもえーねん!だいたいアンタはなぁ!ネチネチクドクド、ナントカカントカ‥」
と、運転手ほったらかしでさらに大激怒
「どーでもええねん」呼ばわりされた運転手が気の毒に思え、怒られながらも彼のほうをチラ見すると、腕組みをしながら「ウンウン」とうなずいておりました
それを見て私は反射的に、
「いやいや、だからおっちゃんもはよ金もーたれやっ!」
と運転手にツッコミ、タクシーの車内は三つ巴の大口論戦に

あの時はおかんを相当ウザく思ったものですが、今思い返してみると懐かしく、それもまた良い思い出となっております

なんとか学校へ到着したのはよかったが、すでに体育館にて卒業式は始まっており、訳も分からぬまま式は進行
到着から数分後には、壇上で私の名前が読み上げられておりました
色々ありましたが卒業式も無事終わり、その後は友人、知人、クラスメートやそうでない奴、お世話になった先生方や卒業を祝ってくれる下級生などと延々写真撮影を繰り返し、いつの間にか正午には終ったはずの卒業式が、気がつくとすっかり日が暮れておりました

この校舎とも今日でお別れかと思うとなんだか無性に淋しくなり、はしゃぐ友人達の輪から離れ、一人おもむろに愛着のある校舎の中を感傷にひたりながらどこに行くでもなくポツポツとただひたすらに歩いておりました
歩きながら見た場所は、どこもかしこも思い出に溢れており、歩けば歩くほど卒業という現実が肌にしみ、一歩進む度に卒業というものを徐々に理解していったのを覚えております
こんな事なら、もう少し卒業までの一日一日を大切にしておけばよかったと痛感した瞬間です

そんな思いで校舎を放浪していると、一人の女子に呼び止められました
話した記憶などない、おとなしそうな女子
どうしたのかと尋ねると、もじもじしながら長い間(ま)の後、あまり覚えていないが他愛もない会話をしたのだろうか
最後に「まぁまぁ、お互いがんばろう」的な言葉をかけ、立ち去ろうとした時に、照れながらもその子は勇気を振り絞ったのであろう、思い出に第二ボタンをほしいと言いました
当時、すでに現在の嫁とは交際中であり、その事は恐らくその子も知っていたはず
今もそうだと思いますが、学校では誰と誰が付き合っているかなんて類の話は、生徒達にとってあたりまえの情報です
しかし、私は第二ボタンをその女子に差し出しました
自分には真似できない行動へ、私なりの精一杯の敬意
驚いた様子で礼を言われ、足早に女子は立ち去りました

空は暗くなっているにも関わらず、皆卒業を惜しんでか校舎にはまだまだ大勢の人だかり
友人達の輪の中に戻ると、彼らもまたあれやこれやとまだまだ終る雰囲気のない思い出話を繰り返しておりました
その合間に何度か女子に呼ばれ、ありがたい事?にいつの間にか私の学生服のボタンは全てなくなっておりました
もちろん、全部が全部本気で私に好意など持ってはいなかったと思う
少なくとも、集団でギャーギャー言いながらやって来る女子などはそうであろう

友人の一人がおもむろに私に言いいました
「おまえ、彼女にボタンあげんでよかったん?」
ほしいと言われていなかったので、なにも考えていませんでした
当時の嫁は、今では考えられないほどおとなしく、恥しがり屋な性格でした
きっとこの学生服姿を見ると態度には出さなくとも、傷つく事だろう
そう思い、友人達と談笑しながらも私の頭の中はそのことばかり

そんな私の気持ちを察してか、第二ボタンの女子が私のところへやってきました
やはり逆の立場になり彼女の気持ちを考えると、このまま私の第二ボタンを受けとるわけにはいかなかったらしく、律儀にも返しにきてくれました
私も自分の軽率な行動で迷惑をかけ、申し訳ない気持ちで一杯になりました
しばしの沈黙の後、立ち去ろうとした彼女に思わず「カメラ持ってる?」と呼び止め、近くにいた私の友人がシャッターを押してくれました
青春の1ページ。
うーん、甘酸っぱい。(笑


あれから15年が経ち、今ではもう当時の友人達と会う機会がすっかり減りました
そう考えると、死ぬまでに一度ぐらいあの頃のメンツで同窓会というのも悪くない
最後に全員で会ったのは、たしか成人式の時
それから10年後の今、自分も含めすっかりおっさん化した彼らに会いたい気持ちです。
イェーイ、お腹でてるかーい?(笑




[独り言]
今回のタイトルにも書いた「仰げば尊し」
昔は卒業式と言えば、私達はこの歌でした
私はこの歌はとても良い歌だと思っておりますが、最近の卒業式では歌われない傾向が強いという話を、先日会った小学生の時の恩師から聞きました
一部の保護者やPTAなどから、「仰げば尊し」で歌われている歌詞は現代の生徒達には適切ではないとの批判の声が少なからず毎年あるという
私自身もあの歌の歌詞を正確に理解しているかどうかわからないが、少なくとも恩師や母校、友人を思う歌であることに間違いないと思っております
どういう理屈で「反対」しているのかははっきり分りませんが、そんな頭でっかちを親に持つ子供が気の毒でならない

「仰げば尊し」 いい歌じゃないですか。
by yorupe | 2008-03-22 18:50 | Θ 何気ない日々

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