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よる記。

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葬祭記

今日の仕事。

11時頃。
ご不幸があったとの知らせをうけ、私は上司達と依頼先のお宅へ伺いました。
布団に寝かされていたのは、6歳の女の子。

こうしてる今でも、ピンクのパジャマが脳裏に焼きついて離れない。
私はけっこう引きずるタイプ。
なのでこういう仕事は正直苦手。


私達葬儀屋にとって、ドライアイスは欠かす事のできない大事な物です。
亡くなってなお、綺麗な顔、体を保つためには必要不可欠な物。
当社では、一度に使うドライアイスの量は約10Kg。
1個2.5Kgのドライアイスを4個使用します。
顔の両側、胸の上、お腹の上に置き、少しでも綺麗な状態を維持できるようしております。


この10Kgものドライアイスを体の小さな子供の上に乗せることはできません。
後輩に頼み、細かく砕いてもらう。
目分量で500gぐらいを綿花(めんか)で包み、それを胸とお腹の上に乗せてあげました。
あとの残りは、顔の横と体の横に並べてあげました。
手がかすかに震える。


私はこれまで小さな子供をお世話した経験があまりございません。
自分にも子供がいるので避けてきました。


入社以来、初めて湧いて出た感情と言葉。
「ちょっと冷たいけどごめんね。 小さくしといたから我慢してな。」
白く小さな手はまだ少し温かく、頭部の縫い傷は痛々しかった。


私は来年30歳。
目の前で眠る女の子は6歳。
ダラダラと30年生きてきた自分と、6年間懸命に生きた女の子。
ものすごく不公平で理不尽な空間。
なんでだよ。


そんな思いを抱きながら、また次の依頼先へと向かう。
その後、会社に戻ったのは夕方の5時過ぎ。
そのまま帰宅しようと思いましたが、女の子の葬儀式場となる当社の式場へと行きました。
せめて私がしてあげられる事。
祭壇だけでもこの手で組んでから帰ろう。
不思議な思い。
しかし、単なる自己満足なのかもしれない。
けどそんなのどっちでもよかった。


明日はこの少女のお通夜。
夕方にこの子の自宅へ納棺に伺う。
時間が合えば私も行こう。


ほんと、くそったれな夜だよ今日は。
こんな日は酒飲んでとっとと寝ちまおう。
あー、イラつくのぅ。
by yorupe | 2006-10-22 00:03 | Θ 何気ない日々

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