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死を考える▼5

産経新聞の朝刊に毎日連載されている記事が大好きです

死を考える ▼5
第8部・最終章 「戦争と平和」

今日は硫黄島で戦死した夫を持つ遺族の記事でした
数ヵ月前にDVDで「硫黄島からの手紙」を見たばかりなので、興味ある内容でした
記事では、昭和20年硫黄島で兵隊として任務についていた夫から妻に宛てた手紙の内容をピックアップしている

昭和20年・小笠原諸島硫黄島
この島は、米国の本土上陸を阻止すべく、防波堤的な役割を求められた
圧倒的戦力を誇る米国との36日間に及ぶ死闘

戦死者
日本兵2万2000人
米兵7000人

捕虜も含め、硫黄島から生還した日本兵はわずか100名たらず

文字通りの死闘

生還した者は口をそろえて言う
「あれこそ地獄絵図」
真っ暗な壕の穴から一心不乱に自動小銃を連射する日本兵
その穴に次々と手榴弾や火炎放射器を放つ米兵
わずか数十㍍の超接近戦
爆死した残骸の中、精神的にも極限状態での戦闘

殺さなければ殺される
死にたくない
生きて帰る
もう一度故郷の土を踏むために
愛する家族に会うために


私は思う
はたしてそこに正義は存在していたのだろうか
生きて帰るために人を殺す
それが全てだったろうし、自分でもそうする

戦争では綺麗事など通用しない
個人の思考を放棄させる戦争
理不尽な行為
偽りの正義

くだらない。



冒頭に書いた夫から届いた最後の手紙にはこう書かれていた

「遠く離れて尚更懐かしい。初めて離れて、愛情はより一層深くなった。確実ではないが、四月頃は、あやの側へ来て寝れるかもしれん。親子水入らずの生活も余り遠くはないように思ふよ。何卒安心してくれたまえ。僕等は死ぬといふことを考えたことはないよ。必ずや元気で帰るよ。待っていてくれ」

残された妻は、現在85歳になり孫もいる
夫の死を正式に通知されたのは終戦を過ぎた8月末
自宅には木箱がひとつ届けられたが、遺骨はひとかけらも入っていなかった
女手ひとつで娘を育てるため、生活はとつも苦しかった
だが一度も再婚を考えたことはなかった
なぜなら、夫がいつか生きて帰ってくるような気がしていたからだという

遺骨もなく、戦死の通知だけで愛する人の死など受け入れられないのは当然だろう

「ほんまに生きて帰ってくるとは思いません。ただ、主人がいたから今の自分がおる。娘がおる。孫がおる。主人が命をかけて戦ったから、今の平和な日本がある。みんなつながっている。私はそう思って手を合わせている。日本は戦争に負けたけど、私の中ではあの人はずっと英雄だと思っている。」

共感します
尊い犠牲の上に、今の日本があるのだし、私たちが存在しているのだから
そして、二度と過去の過ちを繰り返さないよう願います

戦争など百害あって一理なし
一部の人間のビジネスでしかありません
by yorupe | 2007-06-17 14:06 | Θ 何気ない日々

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